瞑想・坐禅の基本
数息観(すそくかん)のやり方|呼吸を数えるだけの、いちばんやさしい瞑想法
「瞑想や坐禅をしても、すぐに考えごとが浮かんでしまう」。そんな方にこそ試してほしいのが、数息観(すそくかん)です。
やることは、呼吸を数えるだけ。とてもシンプルですが、坐禅の入門としてお寺でもよく教えられている方法です。
数息観とは
数息観は、文字どおり「息を数えて観る」瞑想法です。呼吸に合わせて数を数えることで、散らばりがちな意識を、いまの呼吸につなぎとめます。
何も手がかりがないまま「無心になろう」とするのは、はじめての人にはむずかしいもの。数息観では「数を数える」という小さな手がかりがあるので、迷子になりにくいのが特長です。
数息観のやり方
1. 姿勢を整える
背すじをのばして座ります。坐禅の座り方ができればいちばんですが、椅子やあぐらでもかまいません。座り方は坐禅のやり方でくわしく紹介しています。
2. 目線を落とす
目を半分ほど開けて、1メートルほど先の床に目線を落とします(半眼)。
3. 鼻でゆっくり呼吸する
口を閉じ、鼻で呼吸します。呼吸の深さや速さを無理に変えなくて大丈夫です。
4. 吐く息に合わせて数える
息をゆっくり吐きながら、心の中で「ひとーつ」。吸って、また吐きながら「ふたーつ」。
これを10まで続けます。10まで数えたら、また1に戻ります。
吐く息を長めに、「ひとーーつ」とのばすように数えると、自然と呼吸がゆったりしてきます。
5. わからなくなったら1に戻る
途中で「いま何番目だっけ?」となったり、気づいたら12、13と数えすぎていたり。これはよくあることです。そのときは、あわてずに1から数え直します。
うまくいかないときのコツ
何度も1に戻ってしまう
はじめはそれで普通です。10まで続けて数えられないのは、失敗ではありません。「それた」と気づいて戻れたこと自体が、数息観の練習になっています。
数えることに必死になってしまう
数を数えることに力が入りすぎると、かえって疲れます。数は「呼吸についていく目印」くらいの気持ちで。呼吸の感覚を味わうことのほうを大切にしましょう。
眠くなる
目を閉じていないか、背中が丸まっていないかを確認しましょう。
呼吸が苦しくなる
呼吸を長くしようと、がんばりすぎているのかもしれません。数息観では、呼吸を操作する必要はありません。自然な呼吸に戻して、それを数えるだけで大丈夫です。
数息観の、ほかのやり方
お寺や指導者によって、数え方にはいくつかのバリエーションがあります。
- 吐く息だけを数える(この記事で紹介した方法)
- 吸う息と吐く息の両方を数える(吸って「ひとー」、吐いて「つ」)
- 数えるのに慣れてきたら、数えずに呼吸の感覚だけを見守る(随息観〈ずいそくかん〉と呼ばれることもあります)
お寺で教わるときは、その日のやり方に合わせてください。
家で数息観をするなら
- タイマーを5分にセットして、まずは1日1回
- 朝起きてすぐ、寝る前など、時間を決めておく
- 通勤電車の中など、目を閉じられない場所でも、吐く息を数えるだけならこっそりできます
数息観は、坐禅や瞑想の土台になる方法です。初心者向けの瞑想のやり方と組み合わせると、さらに続けやすくなります。
よくある質問
数息観は1日何分やればいいですか?
はじめは5分で十分です。慣れてきたら10分、15分とのばしていきましょう。
10まで数えるのはなぜですか?
数が大きくなりすぎると、数えること自体に意識がとられてしまうためです。1から10をくり返すことで、呼吸に注意を向けやすくなります。
数息観と坐禅は同じものですか?
数息観は、坐禅のときに呼吸を整える方法のひとつです。坐禅の入門として教えられることが多く、坐禅の中で行うこともあります。
まとめ
数息観は、吐く息を1から10まで数えるだけのシンプルな瞑想法です。わからなくなったら1に戻る。それだけで大丈夫。お寺の坐禅会でも教わることが多いので、知っておくと当日も安心です。