瞑想・坐禅の基本

坐禅の足の組み方|結跏趺坐・半跏趺坐のやり方と組めない時のコツ

坐禅をしてみたいと思ったとき、多くの方が最初につまずくのが「足の組み方」です。写真で見るような、両足をももの上にのせた座り方は、はじめての方にはなかなか難しいもの。

でも安心してください。坐禅の足の組み方には、いくつかの段階があります。 体がかたい方でも、自分に合った座り方から始めて大丈夫です。

この記事では、代表的な2つの組み方「結跏趺坐(けっかふざ)」と「半跏趺坐(はんかふざ)」の手順と、組めないときの選択肢をまとめました。なお、足の組み方や左右の順番は、宗派やお寺によってちがうことがあります。 お寺で座るときは、当日のご住職や指導の方のやり方を優先してください。

坐禅全体の流れ(手の組み方・目線・呼吸など)は、坐禅のやり方にまとめています。

足の組み方は「安定」のためにある

最初に、なぜ足を組むのかを知っておくと、無理をしないで済みます。

坐禅で足を組むのは、体を安定させ、長い時間でも姿勢がくずれにくくするためと言われます。両ひざとお尻の3点で体を支えると、土台がどっしりして、背すじが自然にのびやすくなります。

つまり、大切なのは「足の形そのもの」よりも、3点で安定して座れているか、背すじがのびているかです。形にこだわって体を痛めてしまっては本末転倒。まずはこのことを覚えておいてください。

座る前の準備:坐蒲(ざふ)を使う

お寺では、坐蒲という丸いクッションの上に座ることが多いです。坐蒲を使うと、お尻が少し高くなり、ひざが床につきやすくなります。

坐蒲への座り方

  1. 坐蒲の前半分くらいにお尻をのせる(深く座りすぎない)
  2. 骨盤が前に少し傾き、腰がすっと立つ位置を探す
  3. 両ひざが床につくように、足を開く

家で試すときは、座布団を二つ折りにしたり、クッションを重ねたりして高さを出すと座りやすくなります。お尻の高さが合うだけで、足の組みやすさはかなり変わります。

結跏趺坐(けっかふざ)のやり方

結跏趺坐は、両足をそれぞれ反対側のももの上にのせる座り方です。もっとも安定するといわれますが、股関節やひざのやわらかさが必要です。

手順

  1. 坐蒲に浅く腰をおろし、両足を前に軽くのばす
  2. 片方の足を、反対側のももの上にのせる(かかとがおなかに近づくように)
  3. もう片方の足を、もう一方のももの上にのせる
  4. 両ひざが床につき、お尻と合わせて3点で支えられているか確かめる

一般的な説明では「右足を左ももの上に、次に左足を右ももの上に」と紹介されることが多いですが、どちらの足を先にのせるかは、宗派やお寺の考え方によってちがう場合があります。 当日の指導に合わせましょう。

無理をしないで

結跏趺坐は、慣れている人でも最初は時間がかかる座り方です。ひざや足首に強い痛みを感じるときは、すぐにやめて半跏趺坐などに切りかえてください。

半跏趺坐(はんかふざ)のやり方

半跏趺坐は、片方の足だけを反対側のももの上にのせる座り方です。はじめての方には、こちらがおすすめです。

手順

  1. 坐蒲に浅く腰をおろす
  2. 片方の足を、反対側のももの下に入れるように曲げる
  3. もう片方の足を、曲げた側のももの上にのせる
  4. 両ひざが床についているか確かめる

ももの上にのせるのがきつい場合は、ふくらはぎのあたりにのせるだけでもかまいません。左右どちらの足を上にするかも、お寺によって決まっていることがあります。家で練習するときは、ときどき左右を入れかえると体がかたよりにくくなります。

結跏趺坐と半跏趺坐のちがい

結跏趺坐 半跏趺坐
足の形 両足をそれぞれ反対のももの上に 片足だけを反対のももの上に
安定感 とても安定しやすい 安定しやすい
難しさ 体のやわらかさが必要 はじめてでも取り組みやすい
向いている人 慣れている人、体がやわらかい人 はじめての人、体がかたい人

どちらが「正しい」というものではありません。自分の体に合ったほうを選び、続けるうちに少しずつ慣れていけば十分です。

足が組めないときの選択肢

「半跏趺坐もきつい」という方も、たくさんいます。そんなときは、次のような座り方もあります。

あぐら

両足を組まずに、すねを前で交差させて座る形です。坐蒲でお尻を高くすると、ひざが下がりやすくなり、背すじものびやすくなります。

正座

坐蒲を縦にして、またぐように座ると、足首への負担が少なくなります。お寺によっては、正座用の小さな椅子を用意しているところもあります。

椅子

ひざや腰に不安がある方は、椅子に座って坐禅をすることもできます。椅子に浅めに腰かけ、両足の裏をしっかり床につけて、背すじをのばします。椅子を使えるかどうかはお寺によってちがうので、事前に問い合わせておくと安心です。

安定した座り方のコツ

  • ひざが浮くときは坐蒲を高くする:お尻が上がると、ひざが下がりやすくなります
  • 体を左右にゆらして中心を探す:大きくゆらしてから、少しずつ小さくして、まっすぐの位置で止めます
  • 足をきつく組みすぎない:ぎゅっと引きつけすぎると、しびれやすくなります
  • 組んだあとに背すじを確かめる:足を組むのに夢中で、背中が丸まっていないかをチェックします

それでも足が痛くなったり、しびれたりするのは自然なことです。対処のしかたは坐禅で足が痛いときの対処法で詳しく紹介しています。

家で足の組み方を練習するには

お寺に行く前に、家で少し座ってみると、当日の不安がぐっと減ります。練習のポイントは次のとおりです。

  1. 短い時間から始める:最初は3〜5分ほどで十分です。タイマーを使うと時間を気にせずに座れます
  2. 毎回、お尻の高さを確かめる:クッションの枚数を変えながら、両ひざが床につく高さを探します
  3. 左右を入れかえる:半跏趺坐なら、日によって上にのせる足を変えると、体がかたよりにくくなります
  4. 痛みが出たらすぐやめる:「慣れるためにがまんする」必要はありません。気持ちよく座れた時間を少しずつのばしていきましょう

練習の目的は、むずかしい組み方ができるようになることではなく、自分が落ち着いて座れる形を知ることです。それがわかっていれば、お寺でも安心して座れます。

よくある質問

足が組めないと坐禅に参加できませんか?

参加できます。多くの坐禅会では、半跏趺坐やあぐら、正座など、その人に合った座り方を案内してくれます。椅子での参加を受け入れているお寺もあるので、気になる方は事前に相談してみてください。

結跏趺坐ができるようになったほうがいいですか?

できなくても坐禅はできます。大切なのは安定して背すじがのびていることです。続けるうちに体がなじんでくることもありますが、無理に目指す必要はありません。

右足と左足、どちらを上にすればいいですか?

一般的な説明はありますが、宗派やお寺によってちがうことがあります。お寺では当日の指導に従い、家で練習するときは左右を入れかえながら座ると体がかたよりにくくなります。

家に坐蒲がないときはどうすればいいですか?

座布団を二つ折りにしたり、クッションを重ねたりすれば代わりになります。お尻が少し高くなり、両ひざが床につく高さを目安に調整してみてください。

まとめ

坐禅の足の組み方は、両足を組む結跏趺坐と、片足だけを組む半跏趺坐が代表的です。はじめての方は半跏趺坐から、それもつらければあぐら・正座・椅子でもかまいません。

いちばん大切なのは、両ひざとお尻で安定して座り、背すじがのびていること。足の形は、その助けにすぎません。お寺で座ってみると、ご住職がその人に合った座り方を一緒に考えてくださることも多いので、まずは気軽に参加してみてください。はじめての方ははじめてガイドもあわせてどうぞ。