悩み・つまずき
坐禅で足が痛いときの対処法|しびれを防ぐ座り方と当日のコツ
坐禅をしていると、10分もしないうちに足が痛くなったり、じんじんしびれてきたり……。はじめての方の多くが経験することです。
まずお伝えしたいのは、足が痛くなるのは「坐禅が下手だから」ではないということ。ふだん床に座る機会が少ない私たちにとって、足を組んで長く座るのは、体にとって慣れないことなのです。
この記事では、足が痛くなりやすい理由と、座る前・座っている最中・終わったあとにできる工夫をまとめました。なお、坐禅中のふるまいや足の組みかえ方は、宗派やお寺によってちがいます。 坐禅会では、当日のご住職や指導の方の案内を優先してください。
坐禅で足が痛くなりやすい理由
痛みやしびれの感じ方は人それぞれですが、よくあるのは次のようなケースです。
| よくある状態 | 起きやすいこと |
|---|---|
| ひざが床から浮いている | 体重が足首や片側のひざに集まりやすい |
| お尻の位置が低すぎる・深く座りすぎている | 骨盤が後ろに倒れ、足に負担がかかりやすい |
| 足をきつく引きつけて組んでいる | 足が圧迫され、しびれやすい |
| 体が左右どちらかに傾いている | 片方の足だけに重さがかかる |
| 体がかたいのに難しい組み方をしている | 股関節やひざに無理がかかる |
こうして見ると、痛みの多くは「座り方の土台」と関係していることがわかります。つまり、少しの工夫でやわらぐ余地があるということです。
座る前にできる対処
坐蒲(ざふ)の高さを調整する
まず見直したいのが、お尻の高さです。坐蒲の前半分に浅く座り、お尻が少し高くなると、ひざが自然に下がって床につきやすくなります。
お寺の坐禅会では、坐蒲の高さを変えたいときや、座布団をもう一枚使いたいときに、相談すると対応してもらえることがあります。遠慮せず、始まる前に聞いてみましょう。
無理のない組み方を選ぶ
はじめから両足を組む結跏趺坐(けっかふざ)にこだわる必要はありません。片足だけを組む半跏趺坐(はんかふざ)や、あぐら、正座、お寺によっては椅子という選択肢もあります。組み方のちがいは坐禅の足の組み方で詳しく紹介しています。
足をきつく組みすぎない
足をももの上に深く引きつけすぎると、圧迫されてしびれやすくなります。「楽に置く」くらいの気持ちで組んでみてください。
体を軽くほぐしておく
座る前に、足首を回したり、ひざを軽く曲げのばししたりして体をほぐしておくと、座りやすく感じる方もいます。ただし、痛みが出るほど強くのばすのはやめましょう。
服装を見直す
ぴったりしたジーンズやスキニーパンツは、足を組んだときに締めつけが強くなります。ゆったりしたパンツがおすすめです。くわしくは坐禅の服装と持ちものをどうぞ。
坐禅中に足が痛くなったら
姿勢をそっと確かめる
足が痛くなってきたら、まず体が左右に傾いていないか、背中が丸まっていないかを意識してみてください。重心がまっすぐに戻るだけで、足への負担が変わることがあります。
がまんしすぎず、静かに組みかえる
多くの坐禅会では、どうしても痛いときは足を組みかえてもかまわないとされています。そのときは、
- 周りの迷惑にならないよう、音を立てずに
- 組みかえる前と後に、軽く合掌する(お寺によって作法はちがいます)
- 組みかえたら、また姿勢を整えて呼吸に戻る
という流れが丁寧です。作法がわからなければ、始まる前に「足が痛くなったらどうすればいいですか」と聞いておくと安心です。
痛みに気づいている自分に気づく
坐禅では、浮かんでくる考えや感覚を追いかけず、気づいたら呼吸に戻ることを大切にします。足の痛みも、「痛いな」と気づいたら、そこで考えを広げすぎずに、吐く息へ意識を戻してみる。そうすることで、痛みとの向き合い方が少し変わったと感じる方もいます。
ただし、これは強い痛みをがまんするための方法ではありません。 鋭い痛みや、いつもとちがう痛みを感じたら、すぐに足をほどいてください。
経行(きんひん)の時間を活かす
坐禅会によっては、坐禅と坐禅のあいだに、ゆっくり歩く「経行」という時間があります。このとき足の血のめぐりが戻り、次の坐禅が楽になることもあります。
坐禅が終わったあとの注意
坐禅が終わった直後は、足がしびれていることがよくあります。しびれたまま急に立ち上がると、ふらついたり転んだりするおそれがあります。
- すぐに立たず、まず体を左右にゆっくりゆらす
- 足をほどいて、しばらくのばしておく
- 感覚が戻ってから、手をついてゆっくり立ち上がる
周りの人が先に立っても、あわてる必要はありません。
坐禅会の前にお寺へ伝えておくと安心なこと
足の痛みが心配な方は、申し込みのときや当日の始まる前に、ひとこと伝えておくと安心です。たとえば、こんなことです。
- ひざや足首に不安があること
- 足を組むのに慣れていないこと
- 椅子や正座用の椅子が使えるかどうか
- 途中で足を組みかえるときの作法
はじめての方の参加に慣れているお寺も多く、伝えておくことで、座る場所や道具を配慮してもらえる場合があります。何も言わずにがまんするより、最初に相談しておくほうが、自分も周りも落ち着いて座れます。 当日の流れやマナーが気になる方は、はじめてのお寺のマナーも参考にしてください。
続けるうちに変わること
はじめは10分でもつらかった足が、何度か座るうちに少しずつ楽になっていく、という声はよく聞かれます。体が座る姿勢に慣れてきたり、自分に合った坐蒲の高さや組み方がわかってきたりするためです。
もちろん感じ方には個人差があります。長く座れることが目的ではないので、自分のペースで続けていきましょう。
よくある質問
坐禅中に足を組みかえてもいいですか?
多くの坐禅会では、どうしても痛いときは静かに組みかえてかまわないとされています。合掌するかどうかなど細かな作法はお寺によってちがうので、始まる前に確認しておくと安心です。
痛みをがまんするのも修行のうちですか?
無理にがまんする必要はありません。体を痛めてしまうと、坐禅を続けにくくなります。強い痛みを感じたら、すぐに足をほどいてください。
ひざや腰に不安があっても参加できますか?
お寺によっては、椅子や正座用の椅子を使わせてもらえることがあります。事前に問い合わせてみてください。持病がある方や、痛みが続く方は、無理をせず医師にご相談ください。
家で練習しておいたほうがいいですか?
必須ではありませんが、家で5分ほど座ってみると、自分に合う坐蒲の高さや組み方がわかりやすくなります。坐禅の基本は坐禅のやり方を参考にしてください。
まとめ
坐禅で足が痛くなるのは、とても自然なことです。対処のポイントは、
- 座る前:坐蒲の高さを合わせ、無理のない組み方を選ぶ
- 座っている最中:姿勢を確かめ、つらいときは静かに組みかえる
- 終わったあと:しびれが取れてから、ゆっくり立ち上がる
の3つです。困ったときは、お寺の方に聞くのがいちばん。はじめての方の悩みをよく知っているので、きっと座りやすい方法を一緒に考えてくださいます。参加前の準備ははじめてガイドもあわせてご覧ください。